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焙烙そして茶飯

地主老妻の家の片づけをしていると、時折面白いものが出てきます。今回は焙烙(ほうろく)です。 焙烙とは、穀物を炒る素焼きのまあるい形の土器です。金属よりも熱の伝わり方が緩やかなので、豆を炒ったりお茶を炒ったりするときに使われたそうです。

底面はこんな感じ。なるほど素焼き土器だね。
これは自家製の珈琲豆を炒るのにいいんじゃないかと思い、ちょっと拝借してきました。いきなり珈琲を炒って失敗すると困るので、今日はお茶を炒ってみることに。お茶はつくった時にしっかり炒って乾燥させているけれど、淹れるときにもう一度炒るようにしています。その作業はいつもは胡麻炒り器を使うんだけど、今回この焙烙を使ってじっくり炒ってみました。
お茶の味は、格別変わったとは思わないけれど、冬場は火鉢があるのでこの方法もいいかな、と。

そしてちょっと思いついて、このお茶で茶飯をつくることにしました。
茶飯は Babeの亡父が得意としていた料理で、時折つくってくれて美味しかったのです。もうずいぶん前の出来事だけど、真似をしてあの味を思い出しながらつくってみます。まず炒ったお茶でしっかりお茶を出し冷まします。
このお茶を水の代わりにつかい、米、昆布、酒、みりん、少しの塩をいれて炊き上げます。美味しくなるかなあ。
炊き上がったら 細切り昆布をのせて塩気をプラス。父はいつも”茶飯にはおでんが合うよ”って言ってたので、即席でおでんもつくりました。お茶の香りもほんのりと、味はまずまず。

亡父がつくってくれた時の方が もうちょっと美味しかったと思うのは、ただのノスタルジーでしょうか。